社員とともに
基本的な考え方
USSグループの成長性や競争力を支えているのは、一人ひとりの社員です。このため、社員が持てる能力を最大限に発揮し、積極的に業務を遂行できる環境を整えています。
また、社員が安心して働くことができ、互いに尊重し合いながら能力を伸ばすことができるような職場づくりや評価・処遇制度の構築にも力を入れています。
人権・多様性の尊重
人権の尊重
USSグループは、企業の構成員が互いに人種、民族、国籍、性別、宗教、信条、障がいの有無、性的指向・ジェンダーアイデンティティなどによって差別してはならないことを「USS行動・倫理規範」で明文化し、徹底を図っています。また、当社グループの事業は日本国内でのオートオークション会場運営が中心であるため、児童労働・強制労働は起こりにくい環境にあり、現在のところ児童労働・強制労働の発生は確認されていません。人権侵害や差別、児童労働・強制労働の事案を未然に防ぐために、日常の業務点検の中でチェックを行っています。従業員が違反を発見した場合の内部通報制度「USSグループ内部通報制度窓口」を設置しています。2024年度は、グループ内で人権侵害・差別に関する重大な違反は発生していません。
内部通報制度の通報受付件数
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 21 | 24 | 21 |
ハラスメントの防止
当社グループでは、「セクシュアルハラスメントの防止に関する規程」および「パワーハラスメントの防止に関する規程」を整備し、全従業員に周知徹底しています。また、ハラスメントに関する相談および苦情を「USSグループ内部通報制度窓口」で受け付けています。
2024年度は、全従業員を対象にコンプライアンス研修を実施し、より一層のハラスメント防止に努めました。
女性活躍推進
USSグループでは、雇用機会や待遇において、性別に関わらない公平の実現に努めています。採用については、将来性のある人材を多数採用するとともに、中途・新卒に関わらず、優秀な人材を積極的に登用しています。また、当社の取締役のうち2名は女性の社外取締役で、取締役における女性比率は28.5%となっています。
2022年より、女性活躍推進をテーマとした研修をスタートしており、継続的に管理職層や女性従業員に対し、組織づくりや働き方改革に関する研修を実施しています。このような取り組みにより、2025年3月31日時点の女性管理職は3名(管理職女性比率3.9%)となり、ロールモデルとなる女性管理職が誕生しています。引き続き、行動計画に掲げる目標(管理職の女性比率を2025年度中に5%以上、2030年度中に10%以上)の達成に向け、さまざまな施策を実施していきます。
女性活躍推進に向けた研修(2024年度)
| 対象 | 参加者数 | 内容 |
|---|---|---|
| 女性従業員 | 56名 | 社内や他社で活躍する女性管理職の話を聞き、女性従業員が自身のキャリアについて考える「女性活躍推進セミナー」の実施 |
女性活躍推進法に基づく行動計画
2021年4月に女性活躍推進法に基づく行動計画(計画期間:2021年4月1日から2026年3月31日)を策定・公表し、その目標達成に向けて取り組んでいます。
・目標・取組内容
目標1
女性の役職者登用(副主任以上)を全体社員の8%以上を目指す
【取り組み内容】
- 女性従業員のモチベーション高揚を図り、役職者となる動機付けを行う
- 育児休業制度の充実により、出産による退職者数を減らし勤続年数の向上を図る
目標2
管理職の女性比率を2025年度中に5%以上、2030年度中に10%以上を目指す
【取り組み内容】
- 次世代の管理職候補となる役職者への女性の登用人数を増やす
目標3
社全体の有給取得率を60%まで向上させる
【取り組み内容】
- 計画有給制度の運用により有給取得率の向上を目指す
- 業務効率化により従業員1人当たりの業務負担を減らす
雇用・採用
地域を重視した採用
全国にオートオークション会場を持つ当社では、地元から社員を雇用することで地域の活性化に貢献したいという思いから、採用にあたって各事業所で1次面接を行う方式をとっています。その後、本社での面接を経て、各地域で働けるように配属することを大前提としています。
従業員の離職
2024年度、当社における自発的理由による離職率は5.1%でした。
公平な評価・処遇
給与体系
USSグループでは、各地域で定められた最低賃金を上回る給与を支払うことを遵守しています。また、社員の積極性を高く評価し、その提案を経営に活かすことを目指しています。2014年には、人材確保や社員のキャリアアップを目的として、実力重視型の人事・給与制度を制定しています。当社の2024年度の平均年間給与は732.9万円でした。
人事評価
人事評価は、各階層に対する役割行動の基準に沿って、年2回の評価を実施する制度を運用しています。被評価者は、設定した目標に対する達成度、業務対応力向上のための取組みや業務改善等の具体的な取組みについて申告するとともに、チームワークや業務改善の意欲、業務処理能力などから構成された項目によって評価を受けます。人事評価については、評価者と被評価者が面談をする仕組みとなっており、次期の取組み目標などについてもコミュニケーションを取れる機会を設けております。
また、よりよい職場づくりのための業務改善提案を全社員から随時募集しています。寄せられた一つひとつの提案を会社がしっかりと受け止め、一つでも多く反映することで、よりよい会場運営と社員のモチベーションアップにつなげています。
福利厚生制度
・従業員持株制度(ESOP)
USSグループに対して中長期的な企業価値向上へのインセンティブを付与すると同時に、福利厚生の増進策として、持株会の拡充を通じて従業員の株式取得および保有を促進することにより従業員の財産形成を支援することを狙いとし、従業員持株制度(ESOP)を導入しております。
・LTD制度(団体長期障害所得補償保険)
病気や怪我によって長期間仕事ができなくなった従業員に対し、定年年齢まで収入を補償し、療養に専念できる環境を整え、早期の就労復帰を支援するため、LTD制度(団体長期障害所得補償保険)を導入しております。
・退職給付制度
当社および連結子会社3社は、非積立型の確定給付の制度として退職一時金制度を採用しております。また、当社および連結子会社6社は確定拠出年金制度を採用しております。
教育・研修の充実
USSグループでは、一人ひとりの社員が会社を支える資源でもあり財産でもある「人財」として活躍できることを目指しています。
教育にあたっては、OJT(日常業務を通じた社員教育)第一主義を掲げ、教える者・教えられる者がともに育つ「共育」を実践しています。
車両検査員の教育・育成
オートオークションにおいて最も重要なのは、出品車両の検査を正確に行うことです。全国各地の会場で判断に差が出ないよう、一定の基準に則った高い精度の検査が求められます。 当社では、車両評価・検査技術の向上と均質化を目指し、独自の「検査員資格制度」を2006年に制定しました。検査員に対して年1回の学科試験と実技試験を実施し、1~4級の資格を定めています。また、検査員の指導・育成と検査員資格制度の運営を担う人員として、全国の会場を巡回・指導するインストラクターと、各会場にトレーナーを1名ずつ配置し、車両検査レベルの均質化に努めています。2023年度には、今後の出品台数増加に備えて車両検査員を早期育成するべく、従来の研修制度を刷新しました。
新たに導入した「検査員養成研修制度」では、入社後すぐに大規模会場で集合研修を行い、約8か月でスキルを習得できるよう検査員育成に取り組んでいます。
管理職向け研修
2023年10月に人事制度を改定し、組織力強化を目指して新たに複数名を管理職に任命しました。また、新任管理職に対しては、リーダーシップやマネジメント力強化のための新任管理職研修や、部下の評価・育成をテーマとした評価者研修を実施しました。これらの研修を継続的に実施することで、将来の会場長候補の育成に取り組んでいます。
入社後の社員教育・研修
入社時に、ビジネスマナーを中心とした新入社員研修を実施しています。研修終了後は、若手の先輩社員が担当(メンター)となり、日常業務の指導や、社会人生活の不安・悩みに対するサポートを行います。
また、キャリアに応じた研修も実施しており、2024年度は対象者に向けて幹部研修、中堅社員研修、女性活躍研修を実施しました。
接客マナー・身だしなみ教育
「USSお客様サービスの基本」として掲げる、(1)身だしなみ、(2)笑顔、(3)あいさつ、(4)言葉づかい、(5)電話対応、の5項目について、具体的なルールや手順を定めて励行しています。
また、身だしなみについては、各職場で毎週1回、部長クラスまでを対象としてチェックを実施しています。
身だしなみや、電話・接客時の応対のチェック結果は、人事考課にも反映しています。
全社的な人材マネジメント
当社グループは、従業員エンゲージメントを向上させるには、社内コミュニケーションの促進が何よりも重要だと考えています。そのため、一人ひとりの意見や考えを尊重するとともに、すべての従業員が働きやすい職場となるよう環境整備に取り組んでいます。
2024年度から、オートオークション事業における市場シェア50%の達成に向けて人的資本を強化するべく、現場起点の取り組みとして「職場環境改善プロジェクト」をスタートしました。このプロジェクトは、若手従業員が中心となって働きやすい職場づくりに向けた改善案を企画・実行するものです。現在、他部署交流を目的としたコミュニティ活動や従業員の健康促進を目的とした施策の推進、業務空間の見直し、働きやすい服装の導入などを進めています。プロジェクトを通じて若手従業員の自発性も育みながら、従業員エンゲージメントの向上につなげていきます。
労働安全衛生
USSグループが持続的に発展するためには、社員一人ひとりの健康・安全の確保が不可欠です。このため、全社員を対象とした定期健康診断の実施に加え、45歳以上の社員に対しては、会社が費用を負担して、定期健康診断よりも検査項目数が多い付加検診の受診を義務付けております。今後も積極的に社員の健康維持・増進の支援に取り組むとともに、良好な職場環境の維持や、社員の安全確保を実現していきます。
衛生委員会
USSグループでは、職場における安全衛生の向上を目的として、社員50名以上の事業所に「衛生委員会」を設置しています。衛生委員会は原則として月1回開催し、各事業所において社員の健康を維持するための対策や衛生に関する事項を審議しています。
社員の健康維持・増進
USSグループが持続的に発展するためには、社員一人ひとりの健康・安全の確保が不可欠です。このため、全社員を対象とした定期健康診断の実施に加え、45歳以上の社員に対しては、付加検診の受診を義務付けています。
今後も積極的に社員の健康維持・増進の支援に取り組むとともに、良好な職場環境の維持や、社員の安全確保を実現していきます。
長時間労働対策
USSグループでは、繁忙期における長時間労働を削減するなど、働きやすい職場を目指して残業の管理を徹底してきました。長時間労働を防止・改善するために、業務の効率化やシフト制を導入するほか、会場および子会社ごとの労働時間について取締役会等で報告を行い、必要に応じて対策を協議しています。
2024年度はオークション取扱台数が増加した影響で月間平均残業時間は30.0時間となりましたが、月間20.0時間以内を目標として、業務の効率化や先進技術の導入により、働きやすい職場環境づくりを進めていきます。
休暇・休業の取得
年次有給休暇については、2024年度における全社の取得率が61.4%となっており、さらなる取得率向上に向けた呼びかけなどを行っています。
メンタルヘルス対策
メンタルヘルス対策として、外部の専門事業者と契約し、社員のメンタルヘルス不調の未然防止に役立てています。また、不調者が出た場合も、適切なサポートができる体制を整えています。
VOICE
会場間で出品車のデータ入力業務を分担することで
繁忙期の業務平準化に貢献

株式会社ユー・エス・エス
新潟会場 業務課
結城 一真
効率化を図りながら
支援体制を構築
私は新潟会場で出品車のデータ入力から書類チェック、入金・支払処理まで幅広い業務を担っており、そのノウハウを活かし、他会場と連携して名古屋会場のデータ入力業務を支援しています。プロジェクト開始時に名古屋会場のデータ入力業務の50%を支援する目標を掲げ、自会場の業務を進めながら効率よく支援できるよう、他会場のメンバーとともに試行錯誤を重ねました。その結果、徐々に支援にあてられる時間を増やすことができ、7週目で58%の入力支援を実現しました。今後も会場間で連携し、業務平準化に貢献していきたいです。

株式会社ユー・エス・エス
横浜会場 業務部電算課
本田 美緒
円滑に業務支援できる
環境の構築に向けて
各会場でデータ入力のルールが異なるため、私は支援先である東京会場のルールをしっかりと理解し、お客様からの問い合わせ件数の低減やデータ修正の負担軽減を目指して業務に取り組みました。その中で感じたのは、支援する側・される側が円滑に業務を進められる環境づくりの重要性です。お互いに業務のやりづらさがあるなど、プロジェクト自体がまだ手探り状態のため、環境改善に向けて貢献していきたいです。また、プロジェクトを通してメンバーと入力業務の大変さを分かち合い、支え合えたことは貴重な経験となりました。
社内コミュニケーションの促進
USSグループでは、日々の業務を円滑に進めるために、事業所・部署を越えた社員同士のコミュニケーションを大切にしています。社員同士の親睦を深めるために、定期的に国内・海外各地への社員旅行を実施しています。
人材関連データ
| 項目 | 内訳 | 単位 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 社員の状況 | 従業員人数 | 人 | 681 | 684 | 677 | 695 |
| うち男性(比率) | 人 | 502(74%) | 508(74%) | 493(73%) | 512(74%) | |
| うち女性(比率) | 人 | 179(26%) | 176(26%) | 184(27%) | 183(26%) | |
| 従業員平均年齢 | 歳 | 39.6 | 39.7 | 39.8 | 39.9 | |
| うち男性 | 歳 | 41.7 | 41.6 | 41.8 | 41.7 | |
| うち女性 | 歳 | 33.8 | 34.2 | 34.5 | 34.9 | |
| 従業員平均勤続年数 | 年 | 13.4 | 13.0 | 13.3 | 13.4 | |
| うち男性 | 年 | 14.9 | 14.2 | 14.6 | 14.7 | |
| うち女性 | 年 | 9.3 | 9.4 | 9.6 | 10.0 | |
| 新規採用者 | 人 | 18 | 44 | 41 | 52 | |
| うち男性(比率) | 人 | 11(61%) | 31(70%) | 22(54%) | 35(67%) | |
| うち女性(比率) | 人 | 7(39%) | 13(30%) | 19(46%) | 17(33%) | |
| 管理職の構成 | 管理人数 | 人 | 36 | 25 | 72 | 77 |
| うち男性(比率) | 人 | 36(100%) | 25(100%) | 72(100%) | 74(96%) | |
| うち女性(比率) | 人 | 0(0%) | 0(0%) | 0(0%) | 3(4%) | |
| 管理職候補の構成※1 | 管理職候補人数 | 人 | 333 | 364 | 320 | 320 |
| うち男性(比率) | 人 | 287(86%) | 312(86%) | 260(81%) | 258(81%) | |
| うち女性(比率) | 人 | 46(14%) | 52(14%) | 60(19%) | 62(19%) | |
| 育児休業 | 育児休業取得者数 | 人 | 10 | 14 | 14 | 17 |
| うち男性(取得率) | 人 | 4(31%) | 6(55%) | 5(28%) | 5(39%) | |
| うち女性(取得率) | 人 | 6(100%) | 8(100%) | 9(100%) | 12(100%) | |
| 有給休暇 | 有給休暇取得率 | % | 64.4 | 63.3 | 69.6 | 61.4 |
| 残業時間 | 月間平均残業時間 | 時間 | 23.2 | 29.3 | 29.2 | 30.0 |
| 正社員の離職率 | % | 4.7 | 6.0 | 6.0 | 5.1 | |
| 障がい者雇用率 | % | 2.09 | 2.48 | 2.25 | 2.47 |