コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方

USSグループは、オートオークションを中核とした中古車流通ビジネスという事業領域において、継続的な事業拡大を通じて「企業価値の増大」を図ることを経営の目標とします。
USSグループの各社は、株式会社である以上、株主価値の増大がその最重要課題であることは当然ですが、USSグループは、「公正な市場の創造」、「会員との共生」、「消費者への奉仕」、「株主への還元」、「社員の尊重」、「地域への貢献」という6つの企業理念を掲げているように、これらステークホルダー(利害関係者)に対する責任を果たした結果が「企業価値」であり、「株主価値」は「企業価値」を通じて実現するものであるとの認識に基づき、その経営を行っています。
また、企業が社会の一員である以上、その事業活動において社会規範を遵守すべきことは当然であり、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針およびコーポレートガバナンス・コードへの対応について、毎事業年度最終の定時取締役会にて評価し、次年度以降の改善計画を策定することにより、USSグループはアカウンタビリティ(説明責任)の履行と、透明性の高い経営を確保し、コーポレート・ガバナンスの向上に取り組みます。

コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス早見表
主な項目 内容
機関設計の形態 監査役会設置会社
取締役の人数(うち女性取締役) 7名(2名)
 社外取締役(うち女性取締役) 3名(2名)
監査役の人数(うち女性監査役) 3名(-名)
 社外監査役(うち女性監査役) 3名(-名)
取締役会の開催回数(2023年3月期) 9回
(社外取締役の平均出席率) 100%
(社外監査役の平均出席率) 100%
取締役の任期 1年
執行役員制度の採用
取締役会の任意委員会 指名・報酬委員会
監査法人 有限責任 あずさ監査法人
コーポレートガバナンス体制
体制などの変遷
スキルマトリクス

取締役会

取締役会は、取締役7名(内、業務執行取締役4名、非業務執行(社外)取締役3名)で構成されており、定款で定める員数の範囲内(12名以内)で、各事業に関する知識、経験、能力等のバランスおよび多様性に配慮しつつ、取締役会における実質的な議論を確保する観点から適切と考えられる員数で構成することを基本的な考え方としています。取締役会では、その付議・報告基準に定めるところに従い、当社の経営に関する重要事項および法令・定款により取締役会が決定すべきとされている事項に係る意思決定を行なうこととしており、その他の事項に係る決定については、その重要性および性質等に応じて各取締役などの業務執行者に委任し、稟議等による決裁により決定しています。
取締役候補者の指名および執行役員の選任を行なうに当たっては、当社の取締役または執行役員として相応しい豊富な経験、高い見識、高度な専門性を有する人物を候補者とし、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会に諮問し、同委員会の答申を踏まえて取締役会において決定します。

監査役会

監査役会は3名(内、社外監査役3名)で構成されており、取締役会に出席するほか、取締役の職務の執行その他会社の業務および財産の状況につき調査し、監査を行っています。そのほか各部門・事業所(子会社を含む。)監査を行っている内部監査室と連携を図っています。
監査役候補者の指名を行なうにあたっては、当社の監査役として相応しい豊富な経験、高い見識、高度な専門性を有する人物を候補者とし、監査役会の同意を得た上で、取締役会において決定を行ないます。

社外取締役および監査役

当社は、経営の透明性と公正性を確保するため、社外取締役3名を選任しています。社外取締役3名全員について、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外役員であると判断し、当社が上場する金融商品取引所に対し、独立役員として届け出ています。かかる独立取締役については、取締役会等における業務執行に係る決定局面等において、一般株主の利益への配慮がなされるよう必要な意見を述べる等、一般株主の利益保護のための行動をとることが期待されます。さらに、当社の監査役3名全員が社外監査役であり、高い独立性を有していることから、独立役員として届け出ております。かかる独立監査役については、取締役会に出席するほか、取締役の職務の執行その他会社の業務および財産の状況につき十分に調査し、監査を行っています。
当社において、社外取締役および社外監査役を選任するための独立性について特段の定めはありませんが、幅広い経験、専門的な見識等に基づく客観的かつ適切な監督または監査の機能および役割が期待され、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことを基本的な考え方として、選任しています。
なお、社外取締役および社外監査役は、定期的に会議を開催し、情報交換や意見交換を行い、連携を図っています。また、社外監査役と内部監査室および会計監査人は意見交換を行い連携を図っています。

役員の選任理由および活動状況
区分 氏名 選任理由 2023年3月期の活動状況
代表取締役会長兼
最高経営責任者(CEO)
安藤之弘 1982年7月に取締役に就任して以来、経営陣の一員としてオートオークション会場の新規出店やオークションシステムの開発に携わり、名古屋事業本部本部長を務めた後、2006年6月から代表取締役社長として、2019年6月からは代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)として当社の経営を担い、豊富な経験と実績に基づく強いリーダーシップと決断力により、大型設備投資やM&Aを実施し、中長期にわたり安定的な利益成長および企業価値向上を実現しております。 取締役会
9回中9回(出席率100%)
指名・報酬委員会
2回中2回(出席率100%)
代表取締役社長兼
最高執行責任者(COO)
瀬田大 オートオークション運営での卓越した見識と実績を有しており、オークション運営本部長を務めたほか、当社の連結子会社であり、リサイクル事業を担う(株)アビヅおよびファイナンス事業を担う(株)USSサポートサービスの代表取締役社長の経験を通じ培った優れた経営手腕を振るうべく、2019年6月に代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)に就任しました。代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)就任後は、意思決定と業務執行の監督の両面で十分な役割を果たしております。 取締役会
9回中9回(出席率100%)
指名・報酬委員会
2回中2回(出席率100%)
取締役副社長 山中雅文 経理・財務関連分野での卓越した専門知識と実績を有しており、統括本部財務部長の経験を通じ培った優れた経営手腕を振るうべく、2004年6月に取締役に就任しました。現在は取締役副社長統括本部長として、管理部門全般を統括しており、当社事業についての高い見識に基づき、卓越した経営手腕を振るっております。また、2020年6月より、当社の連結子会社であり、事故現状車買取販売事業を担う(株)リプロワールドの代表取締役社長に就任しました。 取締役会
9回中9回(出席率100%)
常務取締役 池田浩照 池田浩照氏は、オートオークション会場の新規出店やオークションシステムの開発に携わり、システム分野での卓越した見識と実績を有しており、名古屋事業本部での経験を通じ培った優れた経営手腕を振るうべく、2004年6月に取締役に就任しました。取締役就任後は、システム本部長、東北会場長、大阪・神戸会場長、四国会場長および当社の連結子会社であった(株)HAA神戸の常務取締役、名古屋・R-名古屋会場長を歴任し、現在は、常務取締役オークション運営本部長として、オートオークション事業全般を管掌し、当社事業についての高い見識に基づき、卓越した経営手腕を振るっております。 取締役会
9回中9回(出席率100%)
取締役 髙木暢子 公認会計士の資格を有し、監査法人にて会計監査業務からキャリアをスタートし、その後M&Aアドバイザリー会社や事業会社にてM&Aの戦略策定や推進の経験を積まれ、現在では経営コンサルタントとして独立し、中長期戦略実現のための新規事業開発や投資意思決定時のアドバイザリーなどの実績を積み重ねております。当社では、2018年6月の社外取締役就任以来、その知見を活かして経営全般について様々な助言をなされ企業価値向上に貢献いただいております。 取締役会
9回中9回(出席率100%)
指名・報酬委員会
2回中2回(出席率100%)
取締役 本田信司 グローバルに事業を展開する企業において、グループ経営、中長期成長戦略、ESG/SDGs、経営企画、海外事業などの責任者や取締役として経営の執行および監督に携わるなど、企業経営に関する豊富な経験と知識を有しております。当社では、2022年6月の社外取締役就任後は、当社取締役会における経営判断および経営監督の妥当性・適正性の確保に重要な役割を果たしており、企業経営に関する幅広い経験と高い専門性により、事業戦略および経営計画の策定ならびに進捗状況の監督などに関し非常に有益な助言・提言をいただいております。 取締役会
7回中7回(出席率100%)
指名・報酬委員会
2回中2回(出席率100%)
取締役 笹尾佳子 介護事業を手掛ける東電パートナーズ株式会社の常務取締役として独自の人財育成制度を通して企業再建を成功させたのち、同社代表取締役社長に就任し、その後様々な業界の経営に携わり、特にダイバーシティ推進、女性活躍推進、働き方改革、人財開発の知見を有しております。当社では、2022年6月の社外取締役就任後は、当社取締役会における経営判断および経営監督の妥当性・適正性の確保に重要な役割を果たしており、企業経営と人に関する幅広い経験と高い専門性に基づき、非常に有益な助言・提言をいただいております。 取締役会
7回中7回(出席率100%)
指名・報酬委員会
2回中2回(出席率100%)
監査役 後藤健一 税務および財務に関する専門知識および行政機関の要職を歴任された経験を有しており、税理士としての専門的見地から、取締役会・監査役会で必要に応じて発言を行なっています。 取締役会
9回中9回(出席率100%)
監査役会
10回中10回(出席率100%)
監査役 三宅惠司 公認会計士としての豊富な監査経験と財務および会計に関する専門的な知識を有しておリ、公認会計士としての専門的見地から、取締役会・監査役会で必要に応じて発言を行なっています。 取締役会
9回中9回(出席率100%)
監査役会
10回中10回(出席率100%)
監査役 小川淳 長期にわたる弁護士としての経歴から法律に関する高度な専門知識と豊富な経験を有しておリ、弁護士としての専門的見地から、取締役会・監査役会で必要に応じて発言を行なっています。 取締役会
9回中9回(出席率100%)
監査役会
10回中10回(出席率100%)

取締役の兼任状況

当社における地位 氏名 重要な兼職の状況
取締役 瀬田大 (株)USSサポートサービス 代表取締役社長
(株)アビヅ 代表取締役社長
取締役 山中雅文 (株)リプロワールド 代表取締役社長
取締役 池田浩照 (株)ユー・エス物流 代表取締役社長
社外取締役 髙木暢子 (株)COEING AND COMPANY 代表取締役
髙木暢子公認会計士事務所 代表
(株)エス・エム・エス 社外取締役
社外取締役 本田信司 CYBERDYNE(株)取締役COO
CEJキャピタル(株)代表取締役社長
社外取締役 笹尾佳子 キャリア&ライフサポーターズ(株)代表取締役社長
(株)三機サービス 社外取締役
(株)ひらまつ 社外取締役

指名・報酬委員会

委員5名中3名が社外取締役、2名が社内取締役です。 委員長は、代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)が務めています。取締役会の諮問機関として取締役会に上程する次の議案の内容の適切性について審議し、取締役会に答申を行います。
(1)取締役候補者の指名および執行役員の選任
(2)取締役および執行役員の報酬に関する方針
(3)代表取締役および役付取締役の選定ならびに解職
(4)取締役および執行役員の解任
(5)取締役のサクセッションプランの内容
また、取締役および執行役員の個人別の報酬などの内容についての決定方針に基づき、取締役および執行役員の個人別の報酬などの内容を決定します。

取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の実効性評価のため、各取締役および各監査役に対するアンケートを実施し、その結果を取締役会に報告しております。その概要は次のとおりです。

  1. 評価プロセス
    実施時期: 2023年3月
    回答者: 全取締役および全監査役(社外役員を含む計10人)
    評価方法: アンケートによる自己評価方式
    (1) 全取締役および全監査役に対し、自己評価アンケートを実施
    (2) 回答結果を取締役会事務局で集計・分析
    (3) 取締役会において、評価結果および現状の課題について報告・審議
  2. 評価項目
    (1) 2022年度の目標に対する評価
    (2) 取締役会の構成 :取締役会の規模、構成(多様性・専門性)
    (3) 取締役会の運営 :取締役会開催頻度、審議時間、配布資料
    (4) 取締役会に対する支援体制 :役員のトレーニング、社外役員への情報提供
    (5) 取締役会における議論の状況 :取締役会で議論すべきテーマ
    (6) 取締役会のリスク管理体制 :リスク管理、社会・環境問題への対応
  3. 評価結果の概要

    前述の評価プロセスにより、アンケート項目全般について概ね適切であることを確認し、取締役会の実効性は確保できていると評価しました。また、前年度に抽出された課題については、以下の取組みを行ったことを確認しました。

    <2021年度アンケート結果の主な課題と取組結果>

    (1) 取締役会における中長期的な経営戦略に関する議論の充実
    統合報告書の中でマテリアリティの決定および価値創造プロセスを明確にしたことについては、一定の評価がなされたものの、中長期的な経営戦略に関する議論の充実という観点では改善の余地があるため、引き続き取り組むべき課題といたしました。

    (2) ESG、SDGs、サスティナビリティに関するトレーニング機会の提供と内容の充実
    ESG、SDGs、サスティナビリティに関するトレーニング機会の提供については、複数の外部研修サービスを活用し、主にオンラインのセミナーや講演会等に参加する機会を提供するとともに、気候変動をはじめとするESG関連の議題を取締役会にて計7回取り上げており、概ね改善されたことを確認しております。

  4. 今後の取組み

    2022年度の実効性評価の結果を受け、抽出された以下の課題への対応を中心に取り組み、取締役会のさらなる審議の充実と実効性の向上に努めてまいります。

    <2022年度アンケート結果の主な課題>

    (1) 取締役会における中長期的な経営戦略に関する議論の充実

    (2)サスティナビリティ(特にカーボンニュートラルの実現と人的資本の充実)の取組みに関する議論の充実

株主の投票構造

当社は、株主総会において可決には至ったものの、20%以上の反対票が投じられた会社提案議案があった場合、株主総会後に、取締役会において当該議案について反対の理由や反対票が多くなった原因の分析を行い、必要な対応を検討します。
2023年6月20日に開催された第43期定時株主総会において決議された「第2号議案 取締役7名選任の件」においては、賛成割合が低くなった取締役はおりません。

役員報酬

2022年度における報酬

役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

役員区分 報酬額等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる役員の
員数(名)
固定報酬 業績連動報酬 業績連動株式報酬 譲渡制限付株式報酬等
取締役
(社外取締役除く)
404 272 58 36 36 4
監査役
(社外監査役除く)
社外役員 30 30 8
(注)
  1. 上記には、2022年6月21日開催の第42期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役2名を含めております。
  2. 使用人兼務役員はおりません。
(1)役員報酬制度に係る基本方針
  • 当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を牽引する優秀な経営人材を保持・獲得するため、競争力のある報酬水準に設定いたします。
  • 固定報酬(基本報酬)に加え、業績連動報酬として、短期インセンティブ報酬である賞与、中期インセンティブ報酬である業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット/PSU)および長期インセンティブ報酬である譲渡制限付株式報酬(リストリクテッド・ストック/RS)を設定し、これらの割合等を適切に設定することにより、持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するものといたします。
(2)役員報酬制度の内容
  • 上記(1)の基本方針に基づく当社取締役への報酬制度の概要は下記表のとおりです。下記表の「●」は、それぞれの報酬等の支給対象者を示します。
報酬等の種類 支給対象
業務執行取締役(注1) 社外取締役(注2) 監査役(注3)
固定 金銭 基本報酬
変動 賞与 - -
株式 業績連動型株式報酬 - -
譲渡制限付株式報酬 - -
(注)
  1. 業務執行取締役とは、当社取締役のうち、社外取締役ではない者を指します。業務執行取締役の報酬は、「基本報酬」、「賞与」、「業績連動型株式報酬」および「譲渡制限付株式報酬」により構成されています。
  2. 社外取締役の報酬は、高い客観性・独立性をもって経営を監督する立場にあることから、基本報酬のみで構成されています。
  3. 監査役の報酬は、監査役の協議にて決定しており、高い客観性・独立性をもって経営を監査および監督する立場にあることから、基本報酬のみで構成されています。
  • 業務執行取締役に対する各報酬の割合(注)は以下のとおりです。
報酬の種類 報酬構成
基本報酬 60%
賞与 20%
業績連動型株式報酬 10%
譲渡制限付株式報酬 10%

(注)業績100%達成時の目安となる割合。

(3)基本報酬
  • 基本報酬は、役位毎の役割の大きさや責任範囲等を踏まえて定め、毎月定額を支給いたします。
(4)賞与
  • 賞与は、毎事業年度の業績達成度合に基づき以下の算式により算出される額の金銭報酬を支給する短期インセンティブ報酬としての業績連動型金銭報酬です。
  • 賞与は、賞与算定基礎額(i)に、賞与支給率(ii)を乗じて、個人別の支給額を決定いたします。

賞与=賞与算定基礎額(i)×賞与支給率(ii)

(i)賞与算定基礎額
  • 賞与算定基礎額は、当社取締役会からの委任を受けた、独立社外取締役が過半数を占める当社の指名・報酬委員会において決定いたします。
(ii)賞与支給率
  • 賞与支給率は、売上高評価係数、営業利益評価係数、当期純利益評価係数(親会社株主に帰属する当期純利益を用いる。以下同じ。)およびROE評価係数の各財務指標評価係数(すべて連結を基準とする。以下同じ。)を、該当するウエイト(売上高評価係数20%、営業利益評価係数40%、当期純利益評価係数20%およびROE評価係数20%)を用いて算出いたします。
  • 上記の各財務指標評価係数は、事業年度毎に設定された目標値の達成率に応じて0~200%の間で変動いたします。また、売上高評価係数、営業利益評価係数および当期純利益評価係数については、各期初に公表する業績予想値を目標値といたします。ROE評価係数については、当社の中期的な経営指標の1つである15%を目標値といたします。

賞与支給率=売上高評価係数×20%+営業利益評価係数×40%
      +当期純利益評価係数×20%+ROE評価係数×20%

【賞与支給率を構成する財務指標および評価係数】

区分 KPI 判定基準 ウエイト 達成率 評価係数
財務指標 売上高 目標値の達成度 20% 下限 50% 0%
目標 100% 100%
上限 150% 200%
営業利益 同上 40% 下限 50% 0%
目標 100% 100%
上限 150% 200%
当期純利益 同上 20% 下限 50% 0%
目標 100% 100%
上限 150% 200%
ROE 同上 20% 下限 ROE11%未満 0%
目標 15% 100%
上限 ROE20%以上 200%
(5)業績連動型株式報酬
  • 業績連動型株式報酬は、報酬と会社業績および当社の株式価値との連動性をより明確化すること等により、業務執行取締役に対する当社の企業価値の持続的な向上を図る中期のインセンティブをより強化することを目的として付与する株式報酬です。当社は、当社定時株主総会終了後から翌年に開催する当社定時株主総会までの期間(以下、「対象期間」という。)に係る業務執行取締役に対する中期インセンティブ報酬として、連続する3事業年度の期間(以下、「業績評価期間」という。)の業績目標達成度に応じて算定される数の当社普通株式を、業績評価期間終了後に交付いたします。
  • 業績連動型株式報酬として支給される当社普通株式の数(交付株式数)は、株式ユニット数(i)に、株式支給率(ii)を乗じて算出いたします。

交付株式数=株式ユニット数(i)×株式支給率(ii)

(i)株式ユニット数
  • 株式ユニット数は、各業務執行取締役についての業績連動型株式報酬基準額(a)を、基準株価(b)で除して算出いたします。
株式ユニット数 = 各業務執行取締役の業績連動型株式報酬基準額(a)
基準株価(b)
(a)業績連動型株式報酬基準額
  • 業績連動型株式報酬基準額は、当社取締役会からの委任を受けた、独立社外取締役が過半数を占める当社の指名・報酬委員会において決定いたします。
(b)基準株価
  • 基準株価は、業績評価期間の直前の事業年度の最終日の終値(同日に取引が成立していない場合には、それに先立つ直近取引日の終値)または業績評価期間の直前の事業年度平均株価のいずれか高い方の株価といたします。
(ii)株式支給率
  • 株式支給率は、業績評価期間に係る、TSR(※)評価係数およびROE評価係数の各財務指標評価係数を、該当するウエイト(TSR評価係数50%およびROE評価係数50%)を用いて算出のうえ、非財務指標係数であるESG評価係数を加減のうえ算出いたします(ただし、計算の結果が零を下回るときは0%といたします。)。
  • TSR評価係数およびROE評価係数は、業績評価期間毎に設定された目標値の達成率に応じてそれぞれ0~200%の間で変動いたします。
  • 非業績指標係数であるESG評価係数は、業績評価期間に係るMSCIおよびCDPによる格付に連動した数値を用い、-10%~+10%の間で変動いたします。

株式支給率=TSR評価係数×50%+ROE評価係数×50%±ESG評価係数

※TSR
  • TSRとは、各業績評価期間につき下記の算式に基づき算出される値をいいます。
TSR 業績評価期間終了直前3か月間の株価終値の平均値
+業績評価期間中における配当金の総額
1
業績評価期間開始直前3か月間の株価終値の平均値

【株式支給率を構成する財務指標および評価係数】

区分 KPI 判定基準 ウエイト 達成率 評価係数
財務指標 TSR(Index比較) TOPIX500社の株式成長率に対する当社のTSR(相対的株式成長率) 50% 相対的株式成長率が
70%未満の場合
0%
相対的株式成長率が
70%以上130%以下の場合
相対的株式成長率の値
相対的株式成長率が
130%を超える場合
200%
ROE 目標値の達成度 50% 下限 ROE11%未満 0%
目標 15% 100%
上限 ROE20%以上 200%
(6)譲渡制限付株式報酬
  • 譲渡制限付株式報酬は、業務執行取締役に対する長期インセンティブ報酬と位置づけ、業務執行取締役が当社普通株式を継続して保有することにより、株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有し、株価上昇および企業価値向上への貢献意欲を従来以上に高めるための長期のインセンティブとすることを目的として付与する株式報酬です。当社は、原則として毎年、譲渡制限付株式報酬としての当社普通株式の交付日から、業務執行取締役が当社取締役および執行役員のいずれの地位からも退任する日までの間を譲渡制限期間とする譲渡制限付株式報酬を付与いたします。
  • 譲渡制限付株式報酬の各年における支給総額は、当社取締役会からの委任を受けた、独立社外取締役が過半数を占める当社の指名・報酬委員会において決定し、株式総数については、各年300,000株を上限といたします。
(7)業務執行取締役の報酬水準および報酬構成比率
  • TOPIX500社および当社と同水準の時価総額や売上高の企業における報酬水準および報酬構成比率ならびに当社従業員の労働分配率および報酬水準とも比較した上で、これらを総合的に判断して、適切な報酬水準および報酬構成比率を設定しています。
  • 業務執行取締役の報酬構成については、当社業績との連動性をより明確にし、中長期的な業績向上と企業価値向上への貢献意欲を一層高めることを目的に、報酬水準や報酬形態およびその割合等を決定し、これらにつき定期的に見直しを行います。なお、業務執行取締役に対する各報酬の割合は上記(2)をご参照ください。
(8)報酬の返還等(マルス・クローバック制度)
  • 業務執行取締役に対して付与される業績連動型株式報酬および譲渡制限付株式報酬について、報酬の返還制度(マルス・クローバック制度)を導入しております。業務執行取締役が法令または社内規程等に重要な点で違反したと当社取締役会が認めた場合および重大な不正会計や巨額損失等を含む当社取締役会が定める一定の事由が生じた場合、当該業務執行取締役に対し、当社普通株式を交付せず、または交付した当社普通株式の全部または一部や交付した当社普通株式に代わる時価相当額の金銭について、返還請求等を行うものとします。返還請求等の決定およびその内容は、当社取締役会決議により決定されます。
(9)取締役の報酬等の決定プロセス
  • 当社取締役の報酬等の内容の決定に関する方針および個人別の報酬等の内容は、当社取締役会の委任を受け、独立社外取締役が過半数を占める当社の指名・報酬委員会において客観的な審議を経て決定されるものといたします。
  • 当社の指名・報酬委員会の審議においては、報酬制度に関する客観的視点、専門的な知見や情報の提供を目的として、必要に応じて外部専門機関に助言を求めます。
(10)執行役員の報酬等の決定に関する方針
  • 当社執行役員の報酬等の決定に関する方針は、当社取締役の報酬等の決定に関する方針に準ずるものとしており、「基本報酬」、「賞与」、「業績連動型株式報酬」および「譲渡制限付株式報酬」により構成しています。

内部監査および監査役監査

当社の内部監査および監査役監査の組織といたしましては、内部監査室(2名)を独立した組織とし財務報告に係る内部統制の運用評価を含め機能強化に努めています。監査役監査は、税理士、公認会計士、弁護士の監査役3名が取締役会、その他主要な会議に出席するほか、取締役の業務執行状況、財務状況などを監査しています。また、監査役は、内部監査室および会計監査人との連携を図り、子会社への実地監査を含め内部統制のより一層の充実を目指しています。

会計監査

2007年6月26日開催の第27期定時株主総会において、あずさ監査法人(現有限責任あずさ監査法人)が会計監査人として選任され、現在に至っています。会計監査業務を執行した公認会計士は以下のとおりです。

業務を執行した公認会計士の氏名 所属する監査法人名
指定有限責任社員・業務執行社員 鈴木 賢次 有限責任 あずさ監査法人
指定有限責任社員・業務執行社員 大橋 敦司 有限責任 あずさ監査法人

なお、当社が東京証券取引所に提出したコーポレート・ガバナンス報告書については、こちらをご参照ください。

社外取締役メッセージ

「攻め」と「守り」の両側面から、ガバナンス強化に貢献します。

社外取締役髙木 暢子 氏

PROFILE :
公認会計士として監査法人での勤務を経て、M&Aアドバイザリー会社や事業会社においてM&Aの推進を担当、現在は新規事業開発や投資意思決定時のアドバイザリー業務に従事。財務および会計、M&A、新規事業開発に関する豊富な経験と専門的な知識を有している。

資本市場やステークホルダーの視点に立ち、「守り」の面では取締役会で議論すべきテーマのアップデートを、「攻め」の面では執行側が中長期の成長に向けて積極的に意思決定できるよう後押しすることを意識しています。就任して6期目となり、当社のガバナンスは格段に改善されてきたと感じます。価値創造ストーリーをステークホルダーの皆様に伝えるための統合報告書のブラッシュアップや、TCFD提言への対応、取締役会の実効性評価による改善事項への取り組みなどが常態化したこと、そしてより市場の理解を得やすい報酬制度に変更したことは、大きな変化です。
当社が今後取り組むべきテーマとしては、DX推進やEV車への対応、オートオークション周辺事業やリサイクル事業の拡大などが挙げられます。中でもDX推進については、オートオークション市場のトップシェアを誇る企業として業界の先陣を切って投資していくべきであり、現場の声を拾いながら大胆な意思決定をしていく姿勢が必要ではないかと考えています。また、オートオークション周辺事業の拡大は時間を割いて議論すべき課題です。未来の事業を創造するという点では、幅広い年齢層や経験の社員が参加して検討する場を作るといった仕掛けを行っていく必要性を感じています。
2022年度は、女性取締役が私を含め2名となりました。取締役会の構成が多様化したことで率直な議論が増え、気候変動課題や人事制度の改定について議論できたことは大きく評価しています。今後は取締役会の場での議論を活性化していくことのみならず、そこで議論したことを活かしたアクションにも携わっていきたいと思います。

環境課題への取り組みと、全社戦略を推進しています。

社外取締役本田 信司 氏

PROFILE :
武田薬品工業株式会社でグループ経営・全社戦略・経営企画等の戦略系と海外事業を中心に担当し、グローバル企業へのトランスフォーメーションをリード。日清食品ホールディングス株式会社では、海外事業を統括するとともに、全社経営計画、中長期成長戦略・環境戦略をまとめる。

当社が中長期にわたり高いパフォーマンスを継続するために、成長戦略・経営計画・気候変動などの重要な経営課題について助言を行うとともに、取締役会議案に対して客観的な目線で遠慮なく進言することにより、健全なコーポレートガバナンスの維持・強化に努めています。
2022年度は、中長期スパンで経営計画に取り組む手段として、TCFDフレームワークを活用し、事業戦略と整合した移行計画(ロードマップ)を策定するサポートを行いました。気候変動課題は、2022年度の取締役会で7回議題となり、経営陣のコミットメントが高いテーマです。事務局との事前ディスカッションを経て、取締役会ではTCFD提言に基づく開示やCDP対応、CO2排出量の具体的削減計画について議論しました。結果として、MSCIESG Ratingsをはじめ各外部評価で良好な成績を収め、当社Web情報の充実にもつながりました。何よりも、環境課題への対応を通じて、オークション事業はEV車によるサーキュラーエコノミーの中で競争優位性を保てるか、リサイクル事業は十分な規模と収益性を目指せるかなど、中長期的な議論の端緒となったことに意義がありました。
全社戦略や経営計画の立案においては、社内外のステークホルダーが当社の持続的成長と企業価値向上に対して確信を持てるよう、会社の「長期方向性」と「中長期ゴール」を明確に定め、これらを実現するための「中長期成長戦略ストーリー」を具体的かつ納得性高く描くことが大切です。そのうえで戦略的投資を確保し、優先順位に従って「既存事業の深耕」、「成長事業への投資」、「新しい事業機会の探索」という重要課題に取り組み、注意深く、かつ大胆に実行できるようアドバイスしていきます。

人的資本の強化により、企業価値の向上に努めています。

社外取締役笹尾 佳子 氏

PROFILE :
株式会社リクルートでさまざまな新規事業の立ち上げに携わった後、東電パートナーズ株式会社で独自の人材育成制度による企業再建を手掛ける。ダイバーシティ推進、女性活躍推進、働き方改革、人財開発などの知見を有する。

私は2022年度の就任時、USSのネクストステージを実現するための人財戦略と組織風土変革に尽力していく考えをお伝えしました。そして、この1年で目指す姿へと近づけるよう取り組んできました。取締役会でも、特に人的資本に関する観点から意見を述べ、議論の活性化に貢献できるよう努めています。2023年度は人事制度を改定し、新たに人財育成の体系を構築する予定です。こうした施策を積極的に推進することにより、従業員が自身のキャリアに対して明確なイメージを持ち、自発的にキャリア形成していける「キャリア自律」を促進します。その結果として、従業員エンゲージメントの向上、および企業価値の向上を実現していきます。
また、2022 年度に当社が「MSCI日本株女性活躍指数」の構成銘柄に選定されたことは、非常に印象深い出来事でした。これは性別多様性に優れた企業の株式で構成される株価指数であり、今回選定されたのは、当社における女性採用比率や女性取締役比率の高さが評価された結果だと捉えています。今後も女性活躍推進に取り組み、女性がいきいきと働ける組織を目指します。
当社の事業の中でも、リサイクル事業には飛躍的な成長を期待しています。特にSMARTは、独自の技術力を確立することによって収益性を高め続けています。技術を支えるのは人であり、SMARTの強みである技術力を維持・向上していくためには、人的資本の強化に取り組むことが重要です。私は、SMARTが当社グループにおいてオートオークション事業に次ぐ大きな柱となれるよう、マネジメントをサポートしていきます。

政策保有株式

保有方針

当社は、業務・資本提携などの実施により、オートオークション事業を核として、中古自動車等買取販売事業やリサイクル事業を拡大し、シナジー効果の獲得が見込まれるこれらの事業における他企業との連携を通じて、「中古車流通業界をリードする総合企業」を目指しております。
このため、当社は、政策保有株式については、事業戦略、事業上の協力関係の維持・強化の必要性、取引関係などへの影響を総合的に勘案し、その保有が中長期的な観点から当社グループの企業価値の向上に資することを確認した上で、新規保有や継続保有を判断します。そして、保有の意義が認められない場合には、原則として売却します。

保有の合理性を検証する方法および個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容

当社は、年に1回、取締役会において個別の政策保有株式について、事業上の協力関係の維持・強化への貢献、連結業績への寄与等を含む保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか、および事業戦略、取引関係などを勘案した場合にその保有目的が適切かの検証を行ないます。2022年度については、2023年3月開催の取締役会において上記の各観点から検証を行い、保有する政策保有株式について、その保有が中長期的な観点から当社グループの企業価値の向上に資することが確認でき、いずれも保有の意義があると判断しております。

保有目的が純投資目的である投資株式
区分 2022年度
銘柄数(銘柄) 貸借対照表計上額の合計額(百万円)
非上場株式 1 0
非上場株式以外の株式 1 6