「公平・公正なオートオークション市場」の拡大により信頼を獲得し続け、さらなる企業成長を実現していきます。
創業時からの強みである「公平・公正」の理念を貫き高い競争力で市場シェアを拡大させていきます。
USSは創業以来、公平・公正な取引を提供すること、またすべてのお客様に対して平等にサービスを提供することを理念に掲げ、市場創造を進めてきました。この理念の実践を貫いてきたことがお客様からの高い信頼と評価につながり、当社におけるオートオークションの市場シェアと会員数は拡大を続けています。長年にわたり出品いただいているお客様からは、「出品台数の大小に関わらず平等かつ公正に取引できることが、USSを利用する最大の理由」との声をいただくことも多く、理念こそが当社の最大の強みだと改めて実感しています。
一方で中古車業界を見渡すと、昨年に続き複数の中古自動車買取・販売会社による不祥事が発覚し、業界全体への信頼が問われています。当社の事業は消費者の方々と直接取引するビジネスモデルではないものの、「公平・公正なオートオークション市場」を創造してきたリーディングカンパニーとして非常に残念に感じています。透明性・信頼度の高い取引機会の提供を通じて業界への不信感を払拭し、安心して中古車を購入していただける環境づくりに尽力していきたいと考えています。
中長期の経営目標には、「オートオークション事業で市場シェア50%」を掲げています。その達成にはやはり、オートオークションの信頼性を一層高めることが重要だと考えています。今後もクリーンな取引システムを基盤に、これを時代の変化に応じて進化させることで信頼性と競争優位性をさらに高め、新規会員獲得の加速や企業としての成長につなげていきます。
市場への信頼性を高めるには、現場の従業員への理念浸透も重要です。年に数回、本社で実施している会場長会議では、「公平・公正」と「平等な対応」の意義について繰り返し伝達し、会場長を通じた現場従業員への意識醸成に努めてきました。私自身も各オークション会場に足を運び、自らの言葉で理念の重要性を説いています。こうした取り組みを通じてUSSマインドをすべての従業員に定着させ、次世代のマネジメント人材を育成し、持続可能な企業成長を目指していきます。私自身は、「公正な市場の創造」など理念実践の旗振り役として、また企業成長に向けた経営の指揮者として、「公平・公正なオートオークション市場」の拡大を牽引していく考えです。
また、上場企業の責務として株主価値の向上も重視しています。その取り組みの一環として、2025年度からの3か年は、総還元性向を昨年の「80%以上」から「100%以上」に引き上げるなど、積極的な還元を実施する方針です。
企業規模の拡大に伴いガバナンス体制を強化し経営の強靱化によって長期的な価値創造を目指します。
USSは、業界の規範となる企業であるために、ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを強化しています。環境面ではTCFDに沿った情報開示やSBT認証を取得し、社会面では人材育成を積極的に推進してきました。また2025年度からは、経営の強靱化を図るためガバナンス体制の強化にも注力しています。
当社は、連結売上高1,000億円を超える企業に成長しました。2027年度までに500億円規模の大型設備投資も予定している中、今後の事業戦略やそれに伴うリスク、各会場で発生している問題に対しては、経営層と各会場の従業員が一丸となって迅速に対応する必要があります。そこで、経営陣や各会場、本社部門が情報共有し、事業戦略について議論する経営会議体を新設しました。

また、経営課題を明確化しスピード感を持って対応していくには経営陣と社外役員が一体となり議論を進める必要があります。これまでは社外取締役と社外監査役とは個別に意見交換を進めてきましたが、今後は全社外役員が集まり議論する場を定期的に設けていきます。さらに、社外取締役の最長任期を8年から4年に短縮することを決断しました。在任期間が長期に及ぶと経営監督機能にゆるみが生じるリスクがあるため、取締役構成を定期的に刷新し、より健全なガバナンス体制の構築を目指します。これにより、相互に緊張感を持って議論を展開できると考えています。
企業規模や事業環境の変化に伴って経営課題も変化します。この変化に応じて組織体制の変革を推し進め、長期的な企業価値の向上を目指していきます。
代表取締役会長 兼
最高経営責任者(CEO)
