戦略プロジェクト「シェア50」
オートオークション事業の長期目標である市場シェア50%を実現するために営業・DX・人材側面から戦略・施策を立案しました。
プロジェクトの目的と目指す姿
このプロジェクトは、USSオートオークションが市場シェア50%を達成するための実行策を経営陣や幹部社員が企画検討し、独自の成長戦略を描くことを目的としています。また、その過程でプロジェクトメンバーや現場リーダーなどの人材基盤を強化する狙いもあります。プロジェクトの進め方としては、当社を取り巻く外部・内部の環境分析を行い、シェア50%達成への成功要因と戦略実行アイデアを検討し続けます。そして、オートオークションのビジネスモデルのデジタル化に取り組み、中古車市場の活性化を目指します。
シェア50%達成に向けた戦略と目標
当社は、長期目標であるシェア50%達成を着実に進めるため、まずは3年後にシェア45%達成を目標に据え、戦略ロードマップを策定しました。この戦略では、新会場建設やレーン増設などハード・設備面の増強によるサービス向上を目標に掲げています。また、ユーザーから出品店・落札店・オートオークション市場をつなぐデジタルプラットフォームの構築、ビッグデータの活用によるDX推進、人材基盤の強化に取り組んでいきます。これらによって、効率的な会員獲得と出品増加を実現しシェア拡大を実現していきます。
シェア50%達成に向けた戦略ロードマップ概要

目標達成のための施策とアクション
「シェア50」では、ロードマップで示している戦略を遂行するために、現場起点で新規会員獲得を実践する「ブレークスループロジェクト」を発足しました。このプロジェクトは、「シェア50」に向けて優先的に実施すべきテーマを設定し、会員獲得や業務効率向上の実現を目指すもので、各会場が主体となって取り組んでいます。
また、「戦略企画・システム企画」の側面から、既存会員の業務を支援するための情報システム「USSデジタルプラットフォーム」の構築を推進します。中古車の下取り、買取り、オークション出品、中古車販売・輸出など、中古車流通の業務を一貫して支援する情報提供・利用サービスを目指して開発を進めています。

ブレークスループロジェクト
現場起点の施策で新規会員獲得と業務効率化、人材基盤強化を推進します
「ブレークスループロジェクト」では、優先的に実施すべき4つのプロジェクトを設定し、2024年秋頃から試験的に90日間の実施を試みました。①新規会員の獲得と魅力あるサービス企画プロジェクトでは、4会場での入会営業を集中的に実施。②会場間連携による休眠会員の発掘プロジェクトでは、各エリアの会場が連携して、6か月以上出品がない休眠会員を浮上させ営業活動を実施。③出品車データ入力業務応援プロジェクトでは、会場間での負荷平準化による残業時間の軽減と緊急時の対応力強化を実現。④若手従業員の自発性を促す職場環境改善プロジェクトでは、他部署交流、従業員の健康促進、働きやすい職場について若手メンバーが改善提案を企画し、実行後にフィードバックを実施しました。その結果、各プロジェクトでは予想以上の成果をあげることができました。
2025年度以降も、複数のプロジェクトを継続的に実施していく計画です。
4つの優先実施プロジェクトとその成果

戦略企画・システム企画
DX推進で会員の業務支援を強化し、営業促進にも有効に機能する戦略構築とシステム開発を加速させていきます
「USSデジタルプラットフォーム」の構築によるオークション会員への業務支援戦略
シェア45%およびシェア50%の実現には、出品車両の源泉であるエンドユーザーと、出品者となる会員の維持・拡大が非常に重要です。つまり「B to B to C」および「Bto B」を通じて、「USSデジタルプラットフォーム」を構築することがシェア目標実現への必須条件と考えています。このプラットフォームを活用した会員への業務支援戦略の大きなポイントは、USSが直接エンドユーザーを確保するのではなく、会員がエンドユーザーを確保するためのサービスを当社が提供することです。
その取り組みの一つが、エンドユーザーが代替購入・情報収集している段階での情報提供サービスです。既存の当社の会員向けインターネットオークションシステム(CIS)に、エンドユーザーの所有車の残価がAIにより予測できるシステムを組み込み、会員のエンドユーザー確保を支援します。
もう一つの取り組みは、下取り・買取り査定時に代替購入車を検索できるオークションエージェントの改修です。オークションエージェントとは当社が運営する会員制のWebサイトで、全国19か所のオートオークション会場に出品される車をエンドユーザーが閲覧でき、会員へ注文できるというものです。このWebサイトのエンドユーザー向けに車両情報を充実させるなどのサービス向上を図ります。そして売買成約時には、整備、保険、マイカーローンなど自動車購入に必要なサービスについて、当社が会員を通じてエンドユーザーに提供できるようサービス開発を検討していきます。こうした取り組みによってオートオークションの状況を正確に把握し、確度の高い出品提案につなげていきます。
また、「USSデジタルプラットフォーム」を営業担当者や会場業務スタッフが活用することで、既存会員、休眠会員、潜在会員のそれぞれに対して、会場の特性とエリア市場特性を裏付けとしたより効率的な営業活動が可能になります。
「USSデジタルプラットフォーム」
